新体操の柔軟はなぜ厳しい
新体操といえば信じられないほど体が柔らかい人がやっているイメージがあるスポーツですよね。
新体操を美しく行うには、180°以上の開脚はもちろんのこと、俊敏でしなやかな動きが求められます。
子供が泣きながら柔軟やっているの見たことあります。。
でも必要なことなんだよね
見る人を魅了する柔軟性を得るためには、厳しいトレーニングが欠かせません。
今回は、新体操の柔軟が厳しい理由を紹介します。
新体操の柔軟が厳しい理由
新体操で厳しい柔軟が求められるのには理由があります。
1. 幅広い運動範囲が求められるため
新体操は、高度な身体コントロールと美しい動きが特徴です。
演技には大きな動きや関節をきれいに伸ばす動きが含まれるため、通常の運動よりも広い運動範囲が求められます。
そのため、関節や筋肉の柔軟性が重要なのです。
それも、体の一部だけがやわらかいのではなく、広範囲が柔らかくなければしなやかに動くことはできません。体全体の柔軟性を維持するのは簡単ではないため、厳しい柔軟トレーニングが必要になるのです。
2. 複雑な動きに適応するため
新体操の演技は、複雑な動きやポーズの連続で構成されています。これらの動きは、柔軟性をいかして滑らかに行う必要があります。
また、ボールやフープなどの手具を使って行う場合があります。手具をなめらかに動かすには、可動域が広い方が便利です。そのために柔軟性が重要になります。
柔軟性の獲得に合わせて筋力やバランスも鍛えることにより、より高度で完成度の高いポーズが可能になります。
3. 怪我のリスクを軽減するため
高度な柔軟性を持たないまま新体操の動きを行うと、怪我のリスクが高まります。
柔軟性を無視した無理な動きは、筋肉や靭帯を傷つける可能性があります。そのため、柔軟性を高めることは怪我予防の観点からも重要なのです。
ただし、無理な柔軟によって怪我をしてしまうこともあります。厳しい柔軟であっても怪我をしないよう、現状の柔軟性を加味した負荷に注意し、柔軟性を高めなくてはなりません
新体操で厳しい柔軟性をすることは、新体操の演技における完成度向上につながります。専門的な知識を持つコーチによる指導と、日々の継続的なトレーニングが欠かせません。
家庭で可能な新体操の厳しい柔軟性トレーニング
1. 椅子を使った柔軟トレーニング
椅子やソファなど、床よりも高い位置に前の足を置き、後ろの足は床についた状態で前後開脚をします。上体を倒さず、上半身は骨盤の上にしっかり乗った状態で行いましょう。
とても痛いので、最初は低い段差から、少しずつ高さを上げましょう。最初はヨガブロックやフォームローラーを台の代わりにしてもOKです。
前が終わったら、次は後ろの足だけを高さのあるものに置いて、前の足は床に置き前後開脚をします。片足ずつの負荷では伸びきらないと感じたら、高さのあるものを2つ前後に用意して足を両方とも乗せてみましょう。
片足でも両足でも、骨盤がずれてはいけません。高い台にのることではなく、前後開脚を美しく深めることが目的です。くれぐれもまっすぐ開脚をすることを心がけてください。
なお、ひざの関節は屈伸と反対方向には曲げられません。そのため、椅子に脚を載せて上から押すと怪我をします。また、他人に力で押してもらう事は、関節の動く範囲を超えてしまうこともあるので、自宅では自重で行うのが安全です。
おしりが床から浮いて不安定な状態で長く開脚をする状態は避け、安定できる状況で行うのが良いでしょう。
2. ストレッチバンドを使った柔軟トレーニング
ストレッチバンドを使ったトレーニングは家庭でも手軽できます。通常のストレッチでは届かない深い筋肉や関節のストレッチが可能です。バンドの力がかかる分、自力でストレッチしているときよりも、股関節の厳しい柔軟が可能です。無理をしてけがをしないように気を付けてください。
例えば股関節のストレッチなら、座ってヒザを曲げた状態で、バンドをウエストの後ろ側から回して足につけます。そこから、ゆっくりとひざを伸ばせば、股関節がぐっと引き伸ばされます。
股関節だけでなく、背中やもも裏も伸ばせます。肩にバンドをかけ、肩とは反対側の足にバンドが交差するように取り付けましょう、アラベスクの位置に足を出してひざをのばしましょう。
ストレッチバンドはコンパクトで軽量なため、持ち運びが簡単です。旅行中や外出先でも使用できるため、日常的に柔軟トレーニングができます。。
3. ヨガブロックを使った柔軟トレーニング
ヨガブロックやフォームローラーなど、高さのあるもので柔軟に負荷をプラスします。左右開脚は180度開かないといけないのですが、左右開脚に負荷をいきなりかけすぎると股関節を故障しやすいので、焦らずに徐々に厳しくしていきましょう。
前後・左右ともに開脚がある程度開く方は、1回の柔軟で2分以上、毎日行います。時間をかけることで少しずつ開脚範囲が開いていきます。目標は5分間ですが、いきなり5分間やるのは大変です。
少しずつ長くしましょう。高さのあるものに足を置いても、開脚が床につくようにしましょう。
開脚がしっかり開くと、演技にも幅が出て、けがにもつながりにくくなります。
厳しい柔軟を行う上での注意点
ある程度の厳しい柔軟は新体操競技でのレベルアップのために必要ですが、けがをしないために注意しなくてはいけないことがあります。以下のポイントを守って安全に柔軟を行いましょう。
厳しい柔軟の前にはアップを行う
厳しい柔軟で体をやわらかくしたいからといって、いきなり椅子柔軟で開脚をしたり、強く体を反るような柔軟をしたりするのはけがの元です。
レッスン前はウォーミングアップとしてアクティブなストレッチや軽く走るなどの運動をして全身の筋肉にスイッチを入れ、筋肉を温めてから行ってください。自宅で行う場合はお風呂上りがおすすめ。
体が温まっていて、柔軟性をアップさせやすいです。
まずは自重で行う
厳しい柔軟は新体操に必要不可欠な柔軟性の獲得にとても役立ちますが、無理をしたり焦ったりするのは禁物です。まずは自重で行うことを基本として、負荷は少しずつ上げていきましょう。
人が上に乗ったり押したりして負荷をあげる方法がありますが、これは専門知識のあるコーチが行うのが理想です。知識がないままむやみに乗ったり押したりするとけがにつながります。まずは自重で行うことを基本にしましょう。その代わり時間をかけてじっくり行えば、柔軟性は十分に身につきます。
痛みが出ている場所は無理をしない
厳しい柔軟では、翌日になっても伸ばした場所に痛みを感じることがあります。厳しい柔軟をする以上、柔軟中、直後に痛みが出るのは仕方ない部分もありますが、翌日も残るような痛みがある場合は多少筋肉を損傷している可能性があります。
無理をすると大きなけがにつながることがあるので、痛みがある場所の柔軟は軽くするか、行わないでください。
けがをせず毎日続けられることが大切
厳しい柔軟で新体操競技のスキルを上げるには、毎日柔軟をすることが大切です。
毎日続けるには、けがをしないこと。けがをして長期間柔軟ができない箇所ができてしまっては、柔軟性向上につながりません。
くれぐれも無理をせず、毎日じわじわやわらかくすることを大切に、柔軟を行いましょう。