社交ダンスの種類を紹介!初心者に知っておくべきこと!
社交ダンスを楽しもう!〜初心者のための基礎知識〜
男女がそれぞれ、リーダー、パートナーとなって踊る「社交ダンス」は、その種目の
豊富さや踊り方によって、ジュニアからシニアまで幅広い世代で楽しめるダンスです。
ここでは、初心者のための基礎知識として日本の社交ダンスの歴史、種目など、
「社交ダンスの最初の1歩」のための情報をお届けします。
今回は
- 社交ダンスの歴史
- 社交ダンスのメリット
- 社交ダンスの種類
を紹介します!
日本の社交ダンスの歴史
社交ダンスの創成期は鹿鳴館時代
日本の歴史に「社交ダンス」が登場するのは、1883(明治16)年に
現在の東京都千代田区内幸町に外国との社交場として建設された「鹿鳴館」での外交政策が展開された「鹿鳴館時代」と呼ばれるときからです。
鹿鳴館では、国賓の接待として西欧式舞踏会が頻繁に催されるようになり、まずは、ウィーンの社交界スタイルのダンスが入ってきました。
日本ボールルームダンス連盟では、この「鹿鳴館」の開館日にあたる
11月29日を「ダンスの日」に制定しています。
そして1918(大正7)年には、横浜・鶴見の花月園にダンスホールが開設され、富裕層を中心に、欧米流の社交ダンスが行われるようになりました。
時代に応じて広がる社交ダンス
一般庶民に「社交ダンス」が広まったのは、第二次世界大戦後で、
進駐軍向けにダンスホールが多数誕生したことや若い男女の出会いの場としてダンスパーティーが流行したことが、
社交ダンスのすそ野を広げました。
ジルバやマンボといったアメリカンスタイルダンスも、この頃流行。
海外からのものを取り入れ、和風に作り変えることが得意な日本では「ハマジル」「カワジル」と呼ばれる和製ダンスも誕生しました。
その後、1970年代には、ディスコブームなどの到来で、若者たちの指向が、一定の決まりに縛られない自由な踊りに変わり、社交ダンス愛好者は、
戦後すぐから続けている「中高齢者」が中心になりましたが、1996年、映画「Shall weダンス?」のヒットなどをきっかけに、
若者も社交ダンスを再注目しスポーツとしての一面も見直され、
大学でのサークル活動なども活発化。
ダンス・スポーツフェスティバルと銘打たれる競技会なども開催されています。
さらに現在では、オリンピック種目採用を目指しての競技会や世界選手権なども行われています。
社交ダンスのメリットは、心とからだに現れる
みなさんは、すでにお近くの、あるいはお知り合いの社交ダンス教室に通ってレッスンを受けていたり、
公共施設などで開催されている社交ダンスサークルで踊っておられるかもしれません。
もしくは、「ちょっとやってみようかな」と情報収集中でしょうか?
今の社交ダンスの愛好者は、圧倒的に女性の数が多いです。ですので、男性が始められるときには、少し抵抗があるかもしれません。
でも、男女で踊るのが、社交ダンスの基本です。
ある程度、キャリアを積んだ女性が男性役(男足)として、女性同士で踊ることもありますが、
これはあくまで「緊急措置」。
男性と女性とでは、骨格形成が異なりますから、踊っていくなかでのリードの仕方も違ってきます。
男性のみなさん、少しだけ勇気を出して教室のドアを開けてみてくださいね。
社交ダンスは、その名の通り『ソシアル(ソーシャル)社会的、社交的』という名を持つダンスです。
性別や世代を超えた、新たなコミュニティを創ることができ、様々な人と出会うことができます。
様々な種目のダンスに挑戦することで、常に向上心を持つことができ、自分自身の技術の向上とともに、
お相手も楽しくさせることができ、それが社交ダンスのやりがいにつながり、生き生きとした日々の源泉となります。
身体的にも、正しい姿勢が身に付き、年齢を重ねてからでも身長が伸びる人もいます。
実際よりも高く見えると言われています。
姿勢がよくなれば、血行もよくなりますし、足腰も鍛えられ、体力もついていきます。
音楽を聴きながら、決められたステップを踏むことで頭も刺激され、老化防止にも役立ちます。
短くても、1分30秒程度、1曲分となると3分近く全身の有酸素運動を行うことになりますから、健康には最適だと言えます。
新しい仲間との出会いに加えて、健康的にいきいきとした日々を送れる。
これだけでも、社交ダンスには、人生をより豊かに楽しくするメリットがあると言えるのです。
社交ダンスの種類
社交ダンスは、必ず男女がカップルを作って踊ります。
そして、男子(男足)が女子(女足)をリードし、女子(女足)は、男子(男足)にフォローしながら踊るという原則が他のダンスと違う点であり、特徴でもあります。
そして、大きく「スタンダード部門」と「ラテン・アメリカン部門」の2種類に分類され、それぞれに5種類のダンスがあり、
総称して「10(テン)ダンス」と呼ばれる「競技ダンス」と正式競技には含まれない「パーティダンス」があります。
スタンダード部門の5種目
カップルが常にコンタクト・ホールドした状態で移動する踊りです。
「モダン」と呼ばれることもありますが、正式には「スタンダード」といいます。男子は燕尾服、女子はロングドレスの正装で踊ることになっています。社交ダンスの基本となる部門ですから、レッスンを始めたばかりの時はスタンダードからスタートすることも多いと思います。
ワルツ(スローワルツ)
3拍子の音楽に合わせて優雅に踊ります。「輪舞」とも表現され「まわる」という語源を持つ、社交ダンスの代表的な種目です。
舞台芸術のバレエから派生したダンスで、大きなスイング(揺れ)とライズ・アンド・フォール(上下運動)という特徴を持っています。
タンゴ
2/4拍子の音楽に合わせて、シャープに歯切れよく、情熱的に踊ります。
スタッカートの効いた曲調に合わせて、スイング(揺れ)やライズ・アンド・フォール(上下運動)を加えず、フラットに踊ることでタンゴのきれの良さを表現します。
スローフォックス・トロット
ゆっくりとした4拍子の音楽にのって、ゆっくりとした動きで、途切れず、流れるように踊ります。柔軟な膝使いとやわらかい足首の動き、そしてリズミカルなボディ・スイングが特徴です。イギリスで生まれ完成したことから、最もイギリスらしいダンスと言われています。
クイック・ステップ
テンポの早い4拍子の音楽にのって、軽快にスピーディに踊ります。
映画「Shall weダンス?」の中で、役所広司演じる主人公が競技会で、渡辺えり子演じるパートナーのドレスの裾を踏んで中断してしまったダンスがクイック・ステップでした。スピーディな動きとともに、優雅さも要求され、カップルの絶妙なコンビネーションが要求されます。
ヴェーニーズ・ワルツ(ウィンナー・ワルツ)
早い3拍子(ワルツ)の曲に合わせて、クルクルと回転しながらフロアを舞うように華麗に踊ります。最も歴史の古いダンスですが、このダンスだけは、バリーションを作らないように協定され、4つのステップだけを使うことになっています。映画などで「舞踏会」の場面でよく使われているのがヴェーニーズ・ワルツを踊っているシーンです。
ラテン・アメリカン部門の5種目
カップルが組んだり、離れたり、お互いの片手だけでホールドしたりしながら、
お互いのポジションをいろいろ変える踊りで、回転も多く動きも速いものが多いです。
男子はラテンシャツやプルオーバースタイル、女子はミニスカートや体の露出が多いなど個性的なコスチュームで踊ります。
コンタクト・ホールドしない分、「アイコンタクト」で息を合わせることがあり、これが、ラテン種目独特の雰囲気を醸し出します。
ルンバ(キューバン・ルンバ)
少しゆっくりめの4拍子の音楽にのって、男女間の愛の葛藤や恋の駆け引きを表現する「愛の踊り」とも言われています。
通常、どんなダンスでも、カウントは「1.2.3.4」と取りますが、ルンバは「2.3.4.1」とカウントします。これは、踊りの動き始めを2拍目から始めるためです。
あまり移動せず、やわらかい腰の動き、しなやかな手の動きやポーズが特徴でもあります。
チャチャチャ
早い4拍子にのって、明るく、陽気に歯切れよく踊ります。女子のコケティッシュな表現がかわいらしさを増すダンスでもあります。
ルンバ同様、2拍目から動き始め、「2.3.4&1」とカウントします。
「2.3.チャチャチャ」ということもあり、ここからこのダンスの名前がついたという説もあります。
サンバ
2/4拍子の音楽にのって踊る、流れるように動き続ける情熱的な踊りです。サンバ特有の「バウンスアクション」という体の使い方があります。
ルンバやチャチャチャは、ほぼ移動せずに、その場で踊りますが、サンバは、フロアを反時計回り(LOD=ラインオブダンス)に移動しながら踊ります。
リオのカーニバルで有名な南米のサンバがヨーロッパに渡り競技風にアレンジされたダンスです。
パソドブレ
2/4拍子の音楽で、スペインの闘牛士(マタドール)の勇敢な姿をもとに作られた踊りです。
男子が闘牛士、女子は、闘牛士が持つケープになったり、時には牛を表現して踊ります。他のラテン・アメリカン部門のダンスが女性を主役に構成されるのに対し、パソドブレだけは、男性が主役になるという特徴があります。
ジャイブ
かなりアップテンポな4拍子の音楽で軽快にすばやく踊ります。
ロック系またはスイング系の音楽で、2拍目と4泊目に強いアクセントのあるビートのきいた音楽で、
「クイック・ア・クイック、クイック・ア・クイック、クイック・クイック」と1小節で8歩のステップを踏む、かなりの運動量の踊りです。
パーティダンス
ご紹介した競技ダンス10種目以外に、「ブルース」「スクエア・ルンバ」「マンボ」「ジルバ」などがあり、これらは、「パーティダンス」と呼ばれています。
これらは、正規の競技ダンスではありません。
しかし、立ち方、ホールドの仕方、足使い(ヒールリード、トォヒール、インサイドエッジ、アウトサイドエッジなど)を正しく体得するなど、
社交ダンスの基礎を身につけるため、スタンダードとして「ブルース」を、ラテン・アメリカンとして「マンボ」や「ジルバ」といったパーティダンスを
最初のレッスン種目とされる教室もあります。
案ずるより『踊る』が易し
社交ダンスは「歩くダンス」です。
私たちは毎日、右足、左足と交互に前に出して前進し、状況によっては、右足、左足と交互に後ろに下げて後退しています。
それを組み合わせ、動く方向、角度、リズムを変えたものが社交ダンスのステップであり、その連続が社交ダンスなのです。
そういう意味では、私たちは生まれて、ほぼ1年経つころには、社交ダンスの基本を身につけているということになります。
あとは、その基本をどう磨いていくか、色づけていくかということでしょう。
「案ずるより『踊る』が易し」
レッスンは決して裏切りませんよ!